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ゼロ・ウェイストとは?ごみを出さない工夫で地球のためにできること

2020.11.20

ゼロ・ウェイストとは?ごみを出さない工夫で地球のためにできること

地球環境問題が深刻化するなか、ゼロ・ウェイストという考え方が、最近注目を集めています。言葉の通り、ごみを限りなくゼロに近づけるライフスタイルですが、ゼロは難しくてもレス(少なく)することは可能なはず。そのための工夫やアイデアをご紹介します。

ゼロ・ウェイストとは

ゼロウェイスト
ゼロ・ウェイストとは、「無駄・ごみ・浪費をなくす」という意味で、その考え方や取り組みのこと。

そんなゼロ・ウェイストなライフスタイルの火付け役とされているのが、カリフォルニア在住のベア・ジョンソン氏です。一年間で1リットルの瓶ひとつ分。これが彼女の家族4人が出したごみの量だなんて信じられますか!?

いきなり「ごみゼロ」を目指すのは極端ですが、本気でやればここまで可能だということ、そしてそのためには抜本的な習慣の改革が必要になることがわかります。ゼロではなくレス、ごみを減らす意識を持つことから始めてみてはいかがでしょう。

5つの「R」

ゼロウェイスト
ベア氏によるとゼロ・ウェイスト・ライフの中心にあるのは、守るべき5つの「R」だと言います。優先順位の高い順に「Refuse(断る)」、「Reduce(減らす)」、「Reuse(繰り返し使う)」、「Recycle(資源化)」、「Rot(堆肥化)」。

(1)「Refuse(断る)」

ティッシュペーパーや無料サンプルの配布や、郵便ポストに大量に届くチラシやDMの数々。ゴミ箱に直行しがちなこれらをまず受け取らない選択を。

(2)「Reduce(減らす)」

セールではつい余分なものまで買ってしまい、結果使い切れないなど思い当たることはありませんか。お得感に惑わされず本当に必要かどうかを見極めること。

(3)「Reuse(繰り返し使う)」

「壊れたら新しいものを買えばいい」と考えてしまうかもしれません。でもこれからはひとつのものを修復しながら長く使うことや、リサイクルショップを活用するなど「使い切り」にならない工夫を。

(4)「Recycle(資源化)」

リサイクルは今や日本では馴染みのごみ処理法。でも実はかなりの手間やコストがかかるなど、色々と課題が残るようです。そのため優先順位は低めです。

(5)「Rot(堆肥化)」

どれだけ意識しても生活する以上、生ゴミは出てしまうため、その処理方法が重要に。堆肥化(コンポスト)すれば、生ごみを焼却する際の二酸化炭素の排出を防げるうえに循環させることができます。

これら5つの「R」を意識の中にインプットしておくと、日常の中で取るべきアクションが自ずとわかるはずです。

今なぜゼロ・ウェイストが注目されるのか

今、世界で広がりをみせている取り組み「SDGs」のひとつにも、「気候変動に具体的な対策を」とあります。「SDGs」とは「Sustainable Development Goals」の略称で、2030年までに達成するために掲げた「持続可能な開発目標」のこと。
ゼロ・ウェイストは私たちの暮らしに密接しているごみのことだから、誰にとっても比較的始めやすい「SDGs」達成に向けてのアクションとも言えます。

日本のごみ事情を知ることから

ゼロウェイスト
環境省によると、2018年における日本全国のごみ総排出量は4,272万トン(東京ドーム約115杯分)、1人1日当たりのごみ排出量は918g(出典:環境省ホームページ)。

先ほどのゼロ・ウェイスト・ライフの提唱者、ベア・ジョンソン氏の4人家族のごみの排出量は1年で約1リットル(1,000g)で、日本における1人1日当たりのごみの量とほぼ同量となっています。

日本のリサイクルとは

日本はごみの分別が細かく、リサイクル技術は先進的だと言われています。
ただ、リサイクルのために、資源ごみを回収・運搬・加工するといった膨大な手間とコスト、エネルギーが必要とされます。
また、日本では、焼却で生じた熱を再利用する「サーマルリサイクル」を進めていますが、欧米では「何度も使えるもの・こと」をリサイクルとしているため、「サーマルリサイクル」はあくまでも熱を回収しているだけという判断により、リサイクルとは差別化されているようです。
このようにごみが手から離れた後のことや、国によって捉え方が異なっていることも頭に入れておきたいですね。

日本と世界の取り組み

ゼロウェイスト
日本や世界の自治体など、社会的に行っているゼロ・ウェイストの具体的な取り組みをいくつかご紹介します。

航空会社がゼロ・ウェイストフライトを実施

オーストラリアの『カンタス航空』は、2021年末までに使い捨ての廃棄物を75%削減する目標を掲げ、実際のフライトでは使い捨て製品を、サトウキビやでん粉で作られた堆肥化が可能なものに置き換えられたそうです。
また2018年の12月には、ポルトガルの『Hi Fly航空』が「プラスチックフリー」のテストフライトを実施しています。

祇園祭でごみゼロを目指す

日本三大祭りのひとつ、祇園祭では2014年、約50万人以上が参加する同祭りで約21万食ものリユース食器を導入し、ごみの分別にも力を入れました。その「祇園祭ごみゼロ大作戦」には多くのボランティアも参加しました。結果、2013年に約57トンあったごみを、2018年までの平均で約42トンまで削減することができたのだそう。

自治体として日本初の「ゼロ・ウェイスト宣言」をした徳島県・上勝町

住民は町内の集積所「日比ヶ谷ゴミステーション」に各自ごみを持ち込み13品目45種類に分別、2016年にはリサイクル率81%を達成。
ごみをどう出すかではなく出さないことに重きを置き、ゼロ・ウェイストを取り入れた商店や飲食店も多く、住民の意識の高さが伝わります。

私たちにできる取り組み

ゼロウェイスト
個人や家庭でごみを出さないためにできることは何があるでしょうか。各自でできる取り組み内容についても、いくつかご紹介します。

使い捨てにしない工夫

マイグッズを持ち歩くことをはじめ、布とミツロウで作られたラップを使うなど、繰り返し使えるもので代用できるものを探しましょう。

紙や容器フリーを心がける

紙も森林伐採をして作られた大切な資源。レシートを断る、資料をデータ化など、紙を使わない(ペーパーレスな)方法を考えてみて。
また過剰な包装を避けて、八百屋さんや豆腐店など商品を裸のまま購入できる商店で買い物をするのも、ごみを出さない工夫に繋がります。

月経カップを試してみる

女性の生理においても紙ナプキンを布に置き換えるなどの工夫を。最近では月経カップという選択肢もあり、洗って繰り返し使えるサニタリーグッズで大幅にごみを削減できます。

目指すのはシンプルで豊かな暮らし

ゼロ・ウェイスト
ゼロ・ウェイストの目的はごみをゼロに近づけることに留まりません。
自分の消費が環境へ及ぼす影響を知り、できる範囲で取り組むうち、そのシンプルな暮らしを通して真の豊かさに気付くことができるという実践者の声も多いのです。
心地よい持続可能な生活を目指すことは結果的に、クリエイティブで豊かな暮らしを楽しむことにも繋がるのではないでしょうか。

まとめ

ゼロ・ウェイストやその具体的な取り組みについてご紹介しました。
ごみの出し方ばかりに囚われていた、今までのごみに対する概念がひっくり返るようですね。
ひとりひとりが本当に必要なものを見極め、ものごとの背景に目を向け、暮らし方を見直すことが、地球環境を守ることにも繋がっていくはずです。


榎田京(mia)

ライター

榎田京(mia)

ナチュラルライフ探求ライター/オーガニック料理ソムリエ。旅行誌の広告制作を経て、雑誌広告や編集ページのグルメ記事を主に担当。今は自然に沿った生き方を実践しつつ各媒体で執筆中。海のある暮らしに憧れています。

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