公開：2020.09.09 更新：2021.04.15

映画『浅田家！』

消防士、レーサー、大食い選手権……家族それぞれが“なりたかった職業”、“やってみたかったこと”をテーマに全力でコスプレをして撮影するユニークな家族写真で注目を集めた写真家・浅田政志の実話をベースに、二宮和也主演、中野量太監督のメガホンで描く、笑いと涙の感動作

幼いころ、写真好きの父（平田満）からカメラを譲ってもらった浅田家の次男・政志（二宮和也）は、昔から写真を撮るのが大好きだった。
そんな彼が、父、母（風吹ジュン）、兄（妻夫木聡）、自分の4人家族を被写体に、消防士、バンドマン、レーサー、極道、ラーメン屋さん等々、“家族がなりたかったもの”、“家族でやってみたいこと”をテーマに全力でコスプレし、その姿を撮影したユニークすぎる「家族写真」が、なんと“写真界の芥川賞”木村伊兵衛写真賞を受賞！

受賞をきっかけに日本中の家族から撮影依頼を受け、写真家としてようやく軌道に乗り始めた矢先、東日本大震災が発生する。

かつて撮影した家族の安否を確かめるために向かった被災地で政志が目にしたのは、家族や家を失った人々の姿だった。

「家族ってなんだろう？」
「写真家の自分にできることは何だろう？」

シャッターを切ることができず、自問自答をくり返す政志だったが、ある時、津波で泥だらけになった写真を一枚一枚洗って、家族の元に返すボランティア活動に励む人々と出会う。
彼らと共に写真洗浄を続け、そこで写真を見つけ嬉しそうに帰っていく人々の笑顔に触れることで、政志は次第に「写真の持つチカラ」を信じられるようになる。

そんな時、一人の少女が現れる。
「私も家族写真を撮って欲しい！」
それは、津波で父親を失った少女の願いだった。

「家族とは？」、「写真とは？」。あまりにも普遍的で当たり前な存在の大切さに気付かされる

第34回木村伊兵衛写真賞受賞作である、写真家・浅田政志によるユニークな家族写真を収めた写真集「浅田家」、そして、東日本大震災の津波で泥だらけになった写真を洗浄し元の持ち主に返すボランティア活動に参加した浅田政志が、作業に励む人々を約2年間にわたって撮影した写真集「アルバムのチカラ」。
本作は、『湯を沸かすほどの熱い愛』でその年の映画賞を総なめにした中野量太監督が、浅田政志の2冊の写真集を原案に、独自の目線で紡いだオリジナルストーリー作品。

無茶で自由奔放ながらどこか許せてしまう人間味溢れるキャラクター・政志を演じるのは、『硫黄島からの手紙』、『母と暮せば』（15）、『検察側の罪人』（18）などの二宮和也。
やんちゃな弟・政志を温かく見守る心優しい兄・幸宏に、確かな演技力で日本映画界を支える妻夫木聡。
政志の両親役に平田満・風吹ジュン、政志の幼馴染・若奈役に黒木華、写真洗浄のボランティアで政志が出会う東北の大学院生・小野役に菅田将暉など、実力派俳優が集結している。