JR「福島駅」から西へ徒歩約6分。占い師さんのお店が多い通称“占い商店街”を抜けた先に、「喫茶stove」はあります。
真っ白な外観と、小さな“stove”の文字にほんのりわくわく。窓から漏れるあたたかな光につい立ち寄ってみてくなります。
いろんな人がふらりと訪れてくつろげるお店
「喫茶stove」がオープンしたのは2008年9月。開店当時から変わらず、14年以上この福島の地で同店を営み続けています。
「気づけばそれぐらいになっていましたね」と、店主の瀧内由紀子さんはにっこり微笑みます。
小さな頃から自分のお店を持つのが夢だった瀧内さん。昼と夜に掛け持ちでアルバイトをして経験を積み機会を待っていたところ、ちょうど探していた福島にいい物件を発見。当時はこの辺りにひと息つけるカフェが少なかったことから、思い切ってオープンへと至りました。
店名に“stove”と掲げたのは、小中学生だったときに教室にあったストーブの思い出から。「休み時間になるとストーブの周りにみんなが集まって、暖をとっていました。そんなストーブみたいに、つい寄ってみたくなるお店でありたいと思って」と瀧内さんは話します。
その言葉通り、「喫茶stove」へはさまざまなお客さんが吸い寄せられます。この日も、大学生くらいのカップルや友人同士、常連の男性ひとり客、ふらっと訪れた女性客、楽しそうな女子会など、入れ替わり立ち替わりいろんな人が訪れ、ひと時の休息時間を楽しんでいました。
「平日は近隣のお客さんが多く、土日は遠方からわざわざ来ていただくお客さんもいます。年齢層もさまざまで、本当にありがたいですね。当初からいろんなお客さんに来ていただきたいな、なんて思っていたので、今のこの状況がとってもうれしいです」と瀧内さん。
「丁寧につくる」を大切にしたスイーツメニュー
スイーツメニューは基本的には3種類を用意。定番の「バスクチーズケーキ」（500円）と「龍のたまごのプリン」（450円）に加え、焼き菓子1種類が並びます。
スイーツを提供する上で大切にしているのが「丁寧に、大切につくる」こと。パティシエではないのでと謙遜しつつ、瀧内さん自身がおいしいと感じるものを、時間をかけて作り上げます。
とりわけ人気なのが、こちらの「バスクチーズケーキ」。お店の定番となるようなチーズケーキを探していたときにバスクチーズケーキの存在を知り、「これだ！」とピンときたのだそう。何度も作って研究を重ね、納得の味わいへと仕上げました。
こだわったのは滑らかさ。口に含むとすっと溶けていくような、バスクチーズケーキ特有の絶妙な舌触りが堪能できます。
シンプルだけどコクのあるプリン
「龍のたまごのプリン」も、ぜひおすすめしたい一品です。黄身の濃厚な風味としっかりとしたオレンジ色が特徴の「龍のたまご」を使用することで、牛乳とお砂糖だけのシンプルな材料でもコクのあるおいしさが広がります。当初は期間限定スイーツでしたが、人気のために継続が続き、今では定番スイーツとなりました。
少し硬めに仕上げられており、スプーンを入れた瞬間のほどよい手応えに、思わずにんまり。ぐぐっと押し込めばぷるんっと弾けるような弾力があり、硬めプリンらしい幸せを感じます。コクと風味を楽しみつつ、ひと口ひと口大切にいただきましょう。
おいしいコーヒーとともに楽しもう
コーヒーは、東京にある焙煎所「ヤルクコーヒー」と大分県にある「豆岳珈琲」から取り寄せたものを提供。「自分がおいしいと思える焙煎所さんをいろいろと探して選びました。しっかりコーヒー感もありフルーティさも感じるバランスの良いお豆です」と瀧内さんも自信をのぞかせます。
お豆は、深煎り・やや深煎り・浅煎りの3種類を用意。ほかにシングルオリジンを1種類、週替わりで提供します。浅煎りでもボディ感のあるコーヒーなので、スイーツと合わせるのにぴったりです。
帰ってきてもらえるような喫茶店でありたい
長くこの地で営み続けているからこそ、かつて常連だった人が、時を経て改めて通ってくれるようになることも多いのだそう。
「ストーブという店名をつけた開店当初から、誰もが気兼ねなく入れてふっとくつろげるような喫茶店でありたい、という思いは変わっていないですね」。
まるで第二のおうちのような、ほっと安心できる場所。福島の路地にそんなお店があることに、小さく心が踊ります。
- ひとりでカフェに行くのが好き
- シンプルでおいしいスイーツが食べたい
- 「私の定番」といえるカフェを見つけたい
そんな人はぜひ訪れてみて。きっと、お気に入りの場所になりますよ。
※掲載内容は取材時の情報です。ご利用の際は最新の情報を事前にご確認ください。
